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雨に濡れたアスファルト

ミーハーKSDDですいません。

3年C組の教室で組み分け帽子はなんと叫ぶのか?

私は魔法界に憧れるがあまり、全ての人間をすぐ四種類に分けたくなる安易な人間だ。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリン。
「徳山大五郎を誰が殺したか?」の生徒たちだって分けられるはずだ。というか、3年C組を見ていたら、頭の中で組み分け帽子が叫ぶのだ。


このドラマはタイトル通り、ある朝教室にあった担任の死体発見を皮切りに、犯人探しをしていく物語。女子高生特融の残酷さや無責任さ、複雑な人間関係が描かれている。いやあ、好きですこのドラマ。ハマりました。見事にハマりました。でもって、欅ちゃんが好きになりました。

(この先ネタバレもあるので、ネタバレ嫌な人は注意してください。) 

 

さて、組み分けの話。組み分けは長所によって分類されがちだが、短所だって組み分け理由になる。それを思い出させてくれたのが「徳山大五郎を誰が殺したか?」だった。類は友を呼ぶというように、グループごとに各寮の性質をそれぞれが備えていた。
 
 
では、分かりやすいスリザリンから見ていこう。
 

スリザリン

守屋茜
志田愛佳
鈴本美優
尾関梨香
織田奈々
そうです泣く子も黙る守屋軍団です。このグループの意地の悪さはえぐかった。特に菅井様の裏口入学を糾弾するシーン最高にえぐくて良かった。
このグループにはスリザリンの生徒の特徴にある狡猾さがところどころで発揮されていた。#1において守屋に耳打ちしてクラスにじゃんけんを提案させた志田は、自分で手を汚そうとしないスリザリンっぽさMAX。志田はカッターでけがをした渡邉が教室に戻ってきたときも「軽傷かよ」と吐き捨てたあたり、このグループのスリザリン感を象徴する存在だ。守屋の自分より下のクラスメイトに(グループ内でも自分より弱い鈴本尾関に)なにかと面倒なこと押しつけるところも、スリザリンの差別的な傾向に通ずるものがある。鈴本は、原田とちびっこ喧嘩を繰り広げているかとおもいきやすごい目でクラスメイトを睨んだりする。尾関は、相手の心をえぐるような茶々を入れて来る割にえぐみのある悪党になり損ねてる感がかわいい。

意地が悪いとはいえ、尾関鈴本は良識的なとこもあり、特に織田は人情もろいところがある。機知に富むところもスリザリンの一面だが、織田の人間味のある一言や探偵ごっこもクラスのいいガス抜きになっていたかもしれない。

狡猾なスリザリンだが、仲間内の結束は強い。守屋軍団はなんだかんだいつも一緒にいるし、いつだって息ぴったりだ。
 


続いては、心優しいこちらの寮。

ハッフルパフ

菅井友香
小林結衣
今泉由依
原田葵
小池美波
はい、菅井様率いる優等生グループ。ハッフルパフが求めるのは愚直で勤勉な生徒。学級委員を務めている菅井は見るからに優等生。菅井は裏口入学を暴かれるが、後に潔白が証明された。包容力があり、温厚な性格の生徒が多いのがハッフルパフだが、一度は退学を心に決めた菅井を引き留め、優しく受け入れたこのグループのメンバーの性格に合う。小林は口は悪いが言っていることは至極真っ当。今泉も叶えたい夢を持ち、将来への希望を言葉の端々に覗かせる。ゆいちゃんずの歌声にクラスメイトが聞き入るのもその素直な心根が声に現われいるからに違いない。原田の暴言はいつだって子どもみたいに真っ直ぐだ。「栗太郎!」という暴言かどうかすら分からない決まり文句で鈴本につっかかっても、子供扱いされ、それを否定してちびっこ喧嘩はだいたい終わる。誰も傷つけないみぃちゃんの目立たない感じも、良くも悪くも平凡な生徒が多いハッフルパフっぽい。
 


お次は、インテリがあつまるこの寮。

レイブンクロー

米谷奈々未
土生瑞穂
上村里菜
長沢菜々香
佐藤詩織
一応相関図では、どこのグループにも属していない、とされるこの5人。一緒にいる時間が長そうなので、一つのグループとして見ても、問題なさそう。ってことで、東大志望の米さんがいるこのグループを、知性や学力が求められるレイブンクローとしたい。土生の眼鏡もガリ勉っぽいし、休み時間とかお互いに英単語の問題出し合ってそう(イメージ)。レイブンクローはその学力の高さから、プライドや自己顕示欲も高い傾向がある。陰湿さも兼ね備えており、実はスリザリンと同じくらい品性の悪さが見られる寮だ。米谷、土生、上村の徳山携帯操作事件は、屈折した自己顕示欲を、クラスを混乱させるという形で表出させたと言える。「見たかったんだ、みんなが困っているとこ」という米さんの発言からも、クラスメイトを見下しているような印象を受ける。またクラスカースト下位に甘んじていることを己のプライドは許しておらず「なんでもかんでも押しつけて、いい気になってんじゃねえよ」と普段からは想像できない発言で土生は不満を爆発させた。保身のために仲間を見捨てる傾向があるのもレイブンクローの特徴だが、携帯操作事件で犯人とバレたときの上村の「だからやめようって言ったんだよ」から始まる仲間割れっぷりはそれにあてはまる。クラスの良心である長沢くんは友だち思いのいいやつだ。だが実は長沢くん、徹底して徳山の死体を「もぐだ」と呼んでいる。これは山形弁で『ごみ』という意味だ。長沢くんも実はちょっとヤバいのかも。

佐藤詩織、彼女の組み分けが一番悩んだ。さとしのウザったい偽善者キャラが本当の姿だとしたら、やはり正義のグリフィンドールが適しているのかも、と思わなくもない。ただ、私は個人的にいまだにさとしを信用できてない。たぶん私もさとしにねるさんみたいな目を向けちゃうし、志田さんみたい「おいおいだれか止めろよ」って言っちゃう。(もはや個人的な好み云々の話)。捉え方を変えれば、佐藤が偽善者的な発言を続けられるのは、そんな自分が好きという自己傾倒とも、歪んだプライドともとれる。自分が書いた文化祭の看板の大きさは自己顕示欲に比例しているのだろうと思っている。完成した看板を前に微笑む姿は狂気的で印象に残った。まあでも、ほら、組み分けしてもその寮にぴったり性格の合う生徒ばかりでもないから(言い訳)。例外はいつだってつきものだし(言い訳2)。個人的直観で佐藤はレイブンクローに入れたいと思います。
 


最後はお待ちかね、勇猛果敢なこの寮で締めよう。

グリフィンドール

平手友梨奈
渡邉理佐
石森虹花
齋藤冬優花
長濱ねる
渡辺梨加
平手探偵と渡邉派とねるとベリカ、グリフィンドール。この寮を表すキーワードは勇気と信念だ。この6人は各々が行動という形で勇気を示していたように思う。信念を持ち、簡単に曲げないのがグリフィンドールの特徴。「犯人をしょっぴきたい」と、時に自分を危険にさらしてまで犯人を暴こうとし続けた平手はまさにそれを体現していた。ただし、それゆえ傲慢になることもあり、途中クラス全体から疑いの視線が平手に向けられたのも、平手のワンマンな傲慢さが一つの理由であると言える。

長濱は終始疑われる存在でありながら、冷静な判断をクラス全員に求め続けた。自分を疑ったこともある平手に校長の追求の手が及んだときも、火災報知器を鳴らして注意を逸らすなど、あくまで公平公正な裁きを求めていた。長濱は複雑化しギスギスしていくクラスにも「私は真実を知りたいだけ」といたって落ち着いていた。

石森が殺人動機を持つ長濱を犯人としてクラス全員な前で責め立てたのも彼女なりの正義感と勇気に基づいた行動だったに違いない。やり方としては賢い方法ではなかった。石森は個人的な渡邉への想いに振り回されすぎた。石森カッター事件は渡邉を自分が守りたい、守られたいというあまりに自己中心的な正義をふりかざした結果だった。グリフィンドールは失敗しないことではなく、失敗から何を学び次に活かすかに重きを置く。己の至らなさを自覚し、よりよい人間になるために更生の意味を込めてこの寮に入れられる生徒もおり、石森はそういう理由でグリフィンドールとなったとすれば辻褄が合う。事実、きちんと謝り、その後は渡邉とも長濱とも仲良くしている。

騎士道を尊ぶのもグリフィンドールの特徴の一つだが、もう渡邉なんて完全に長濱の騎士である。彼女の勇気はカッターなんて怖くない。「やっててもいい、それでも私はねるを守る」。彼女の守りたいものは、たとえ事実がどうであれ変わらないのだ。

斎藤はもう説明いらないでしょ。彼女こそ真のグリフィンドール生でしょ。長濱に聞きたいこと言いだせない石森の代わりに切り込むふーちゃんもさ、ピンチで「しゃ!」って潔く死体担ぐふーちゃんもさ、クラスの喧嘩止めるふーちゃんもさ(マジで理不尽に菅井に叩かれてるのには笑った)、渡邉石森に半泣きで仲直りの握手させようとふーちゃんもさ、文化祭前日に差し入れにパン買って来てくれるふーちゃんもさ、もうどれも男前すぎていいヤツすぎて惚れるじゃんかよ(私が)。斎藤は3年C組の勇気と正義と信念のヒーローだった。彼女がいなかったらこのクラスなんて、とっくのとっくに崩壊していたはずだ。

 
さて、最後。問題は渡辺梨加である。
「楽しくなると思ったから」で始まる彼女の告白。長濱の登校再開や菅井の裏口潔白証明を引き合いに「死体が出てきて、自分の殻を破れた気がしない?」と自分の行動を正当化しようとするが、本当の理由はまぎれもなく自分のためだった。そしてそれを彼女は重々自覚していた。自分の居場所を作るために、自分の存在に気づいてもらうために、彼女はナイフを死体に突き立てたのだ。そうすることしか、彼女にはできなかった。もしかすると、死んだ徳山に彼女は自分を重ねていたのかもしれない。教室のなかで誰にも見えていない自分は、もはや死んだも同然だった。彼女は死んだ徳山にナイフを刺すことで、死体同然だった自分を殺したのだ。誰にも見えていない自分という存在が見えるようになってくれたらと、彼女は握ったナイフに願ったはずだ。
そして、彼女にも彼女なりの信念があった。”楽しかった”犯人探しの日々と引き換えに、自分が全ての責任を負おうと決めていたのだ。死んだも同然の自分にナイフで終止符を打ったことは彼女だけの秘密だった。残りの人生の全てを賭けて、存在証明のために徳山にナイフを振り下ろしたその決意は、彼女なりの勇気と呼んであげてもいいのかも知れない。
 
だから、べリカの頭の上で組み分け帽子は、…いや、私は、叫びたい。
 
グリフィンドォォォール!!!!